かかりたくない!感染症の代表格「インフルエンザ」の長~い歴史と感染対策
中国で多発している新型コロナウイルスによる肺炎の感染。
アメリカでも感染者が確認され、今後の動向に世界が注目しています。
2003年に発生したSARS(重症急性呼吸器症候群)を思い起こさせるような流行ですが、
一部の専門家によると、SARSほど毒性は強くないと言われているようです。
しかし、現在も感染による死者は増えており、またワクチンの開発にはかなりの時間がかかるとも言われています。
人類は常にこのようなウイルスとの戦いをし続けなくてはいけない事を、改めて思い知らされます。
一方現在、日本で流行期に入っているインフルエンザ。
今ではすっかりメジャーな立場になったインフルエンザウイルスですが
発見とワクチン開発までには長い道のりがありました。

長い歴史を紐解いてみると、紀元前412年に書かれたヒポクラテス「医学の父」には既に
「ある日突然多数の住民が高熱を出し、 震えがきて咳が盛んになった。
たちまち村中にこの不思議な病が拡がり,住民たちは脅えたがすぐに去って行った 」。
と言う記録があると言います。
日本では平安朝時代からその流行についての記録があり、シハブキヤミ(咳病、咳逆)と呼ばれていました。
インフルエンザが科学的に正しく判定できるようになったのはここ100年余りですので、
上記のような記載がインフルエンザだったと言う確証はありませんが、
現在のインフルエンザの症状ととてもよく似ていますよね。
後述するインフルエンザの種類と照らし合わせてみると、A型が多かったのかもしれません。
「インフルエンザ」という名称は16世紀のイタリアで名付けられました。
当時はまだ感染症が病原体によって起こるという概念がなく、
何らかの原因で汚れた空気によって発生すると考えられていたそうです。
当時、占星術は今の「科学」にとても近い距離にあり、
医師のような役割を果たしていた占星術師たちは、毎年冬になると病が流行り、
春になると終息するこれを天体の運行や寒気などの影響によって発生するものと考え、
流行り病の病名を「影響」を意味するイタリア語の「influenza」と名付けました。
(イタリア語らしく発音するとインフルエンツァとなります)。
日本ではインフルエンザと言う名称が持ち込まれる以前は
江戸の人気芝居「お染久松」の「染」に掛けて俗に「お染かぜ」と言い
惚れた恋風に見立てていたそうです。
どちらも「空気」や「風」が悪いものを運んでくると捉えているところが面白いですよね。
その後17世紀に入り、様々な病気の病原菌が次々と発見されるようになっても
インフルエンザウイルスはなかなか発見されず、病原体は謎のままでした。
1918年に有名な「スペイン風邪」が大流行し、5000万人もの死者を出してもなお、
これがインフルエンザウイルスが病原体だとはなかなか発見されていませんでした。
しかしこのスペイン風邪が社会的に与えたインパクトは大きく、
世界中の研究者がインフルエンザの原因を明らかにしようと研究を競い合うようになりました。
そしてその後、1933年にインフルエンザウイルスがインフルエンザの病原体である、
と言うことが実験によって証明されたのです。
その後はまず生ワクチンが開発され、その後不活化ワクチンが登場し、
現在では安全性の高いワクチンが開発されており、副作用を起こすことも少なくなりました。
現在人に感染するインフルエンザウイルスは主に3種類。
その特徴と問題点は、予め知っておいて損はありませんので、
以下に記述しておきます。
A型
大流行の原因となることが多く、症状も重症となることが多いです。
高熱、関節痛、筋肉痛など、一般的にインフルエンザの症状として思いつく症状は
このA型の特徴であるものが殆ど。
一度かかると回復する過程でそのウイルスに対する免疫が作られますが、
A型はウイルスの形を変えて進化し続けるため、今までに獲得した免疫も機能しにくく、
毎年、厚生労働省の指導のもと、そのシーズンに流行が予測されるウイルスに合わせて
ワクチンが製造されますが、ウイルスはどんどん進化してしまうため
製造されたワクチンが対象としていたウイルスとは別のウイルスに進化してしまうことも。
脳炎、脳症の合併症を引き起こすことがあるため注意が必要です。
B型
以前は数年単位で定期的に流行していましたが、近年は毎年流行しています。
A型のような大流行となることはあまりないと考えられています。
胃腸炎にも似た症状となることが多く、下痢や腹痛を訴える人が多いのが特徴。
C型
一度免疫を獲得すると一生その免疫が持続すると考えられており、
殆どの大人が免疫を持っているため感染しにくく、
もし罹ったとしても鼻水程度で普通の風邪と区別がつきにくいです。
罹るのは4歳以下の事が多いです。
このような歴史や、現在の新型コロナウイルスによる混乱を見ていると、
現在あるインフルエンザの予防接種の有り難みが増してきます。
自分は大丈夫、とは思わずにできる人は予防接種をしていきたいですね。
そして、インフルエンザの予防には予防接種はもちろんですが手洗い&うがいがとても大切。
石鹸を使っての手洗いはもちろんですが、

外出先ですぐに手が洗えない状況では、ジェルの消毒剤がオススメです。

ポンプ式・蓋つきなので持ち運びに気を使わずにすむのが嬉しいですね。
また、ウイルスは乾燥した空気に晒されると軽くなり、浮遊し始めます。
そのため、ウイルス対策には乾燥対策がとても大切となってきます。
加湿器を使って、部屋の湿度を保ってウイルスが浮遊しないようにしましょう。

ペットボトルに取り付けるだけのタイプのものなら、オフィスや枕元など、
ピンポイントで加湿することができるので便利です。

そして何と言っても忘れてはならないのが、十分な睡眠と栄養補給。
その他の予防を完璧にしていても、肝心の体が睡眠と栄養が足りてなければ、
ウイルスと闘うことはできません。
みなさん、よく寝てよく食べて、ウイルス対策をしてくださいね。