冬の避難所で行うべき寒さ対策は?
季節問わずいつ来るかわからない自然災害ですが、冬に被災してしまった場合寒さ対策はどうすれば良いのでしょう。この記事では、冬の災害時に避難所で行うべき寒さ対策について解説していきます。
冬の災害の怖さ
冬に発生する災害では、過酷な寒さが生命に危険を及ぼすことがあります。歴史的な震災事例では、地震によるライフライン断絶が引き起こされ、停電やガス供給停止が数か月にわたり発生しました。
これにより多くの人々が避難所での生活を余儀なくされ、暖房機器を利用できずに低体温症などの健康被害が拡大しました。
冬の災害対策には、食料や水の備蓄に加えて、避難所での生活に備えて防寒具や感染症対策グッズの準備が重要です。
低体温症の怖さとは
東日本大地震の時には、避難先で低体温症になってしまい命を落とす人もおり低体温症を侮ることはできません。
そんな低体温症が特にリスクの高まる状況として挙げられるのは、避難所や体育館の床が冷たい時です。
冷たい床に体温を奪われて35度以下の体温になると、震えや判断力の低下などの症状が現れ、最悪の場合は命にかかわることもあります。
そのため冷たい床との直接接触を避け、段ボールベッドや毛布を敷くなどの対策が適切です。
避難所ではお互いに気を配りつつ、軽度の低体温症状が見られたら毛布で温めたり、温かい食べ物や飲み物を摂ることが重要です。
体がブルブルと震える、歯がカチカチと鳴っているなど自分が感じたり、周りでそのような症状を発症している人がいないか注意しましょう。
避難所で必要な寒さ対策グッズとは?
寒さ対策のために、避難所で有用なアイテムはどのようなものがあるのでしょう。
ここでは、避難所で用意すべき寒さ対策グッズについて解説していきます。
防寒着
防寒着は最も手軽で効果的な寒さ対策グッズです。
ダウンジャケット、ジャンパー、厚手の長袖・ズボン、厚手の靴下、手袋、マフラー、ニット帽などを用意しましょう。
重ね着をすることでより効果を高めることも可能です。
防寒シート・段ボール
避難所は主に学校の体育館や町の公民館などの多目的ホールであり、基本的に床はタイル張りかコーティングされた木であり冬だとかなり冷たくなっています。
そのため防寒シートや段ボールを使うことで、かなりの寒さ対策になります。
アルミ製の防寒シートは体温を保温し、段ボールは床に敷くことで断熱・保温の効果が期待できるでしょう。
寝袋・毛布・カイロ
寝袋や毛布は体温を保つために役立ち、カイロは体を温めるのに効果的です。
避難所では寝袋や毛布で温かさを確保し、カイロを使って全身を温めましょう。日頃から使用期限を確認しておくことも重要です。
乳幼児の寒さ対策
2024年の初めに起こった石川県の地震で被災した人々の中には、お正月の帰省中に乳幼児を連れていた方も多いでしょう。
被災地では乳幼児用の物資が不足している可能性も考えられます。
安心して授乳できる環境を整え、できるだけ日常通りの生活を続けることが重要です。
ミルクを使用する場合は、避難所で粉ミルクを使う際には70度以上のお湯でといて殺菌します。カイロを使うと逆に菌が増えやすいため使わないように心がけましょう。
断水時や哺乳瓶が消毒できない場合には、紙コップを使用して衛生的にミルクを飲ませることも可能です。
同様に、紙おむつが不足している場合にはレジ袋と布を使った代用方法や、残っている紙おむつの吸収剤を交換して繰り返し使用する方法も考えられます。
災害時に「いつもどおり」の状況を維持することが心理的な負担を軽減するため、周囲のサポートも重要です。
温めると良い身体の部位
避難所の寒さ対策ではカイロや毛布、暖房器具などで体を温めるのが効果的です。
ここからは、温めると効果的な部位を解説していきます。
首
首には太い血管が通っているため、首を温めることによって効果的に体全体を温めることが可能です。
また、首を前に曲げた時に首と背中の間から骨が飛び出している部分があります。
この部分は大椎と呼ばれる部分で、全身を温めるツボであり首の中でもここを温めるとより効果を発揮するでしょう。
背中
背中にある僧帽筋は大きな筋肉で、冷えると血行が悪くなり、筋肉が硬くなる傾向があります。
この状態を改善するためには、肩甲骨の間を中心に温めることが効果的です。例えば、背骨に沿って2枚のカイロを貼ると、多くのツボにアプローチでき、一石二鳥の効果が期待できます。
腰回り
全身が冷える際には、おへそより指2本分下に位置する「気海(きかい)」と呼ばれるツボを温めることが有効です。
このツボを毎日温めることで、安定したコンディションを保ち、元気に過ごす助けになると言われています。
また、おへその真裏には「命門(めいもん)」、その外側には「腎兪(じんゆ)」というツボがあります。
これらの部位を重点的にカバーするようにカイロを貼ると、腰全体を温めるのに効果的です。
まとめ
冬の避難所では、決して寒さを我慢してはいけません。
しっかりと寒さを感じないような対策を講じ、低体温症にならないよう気をつけましょう。
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