感電はとても怖い!防ぐポイントは?
電気工事を行う人や工場で電気を扱う人が常に注意しなくてはいけないのが感電についてです。
この記事では、そんな感電を防ぐポイントについて解説していきます。
感電とは
感電とは、電流が人体に流れて衝撃を与えることです。
静電気や自然界の生物が発する電気も一種の感電ですが、通常は電気の配線や機器などに触れた際に起こります。
電気が体を流れることで、感電者は痛みやけいれん、心臓の不整脈などの症状を引き起こす可能性があります。
電流の量や経路によって症状の程度は異なりますが、特に高い電流が流れた場合は死亡に至ることもあるため注意が必要です。
感電事故は予防が重要であり、アース線(接地線)の取り付けや絶縁状態の確認などの安全対策が必要です。
感電による労働災害は稀ではありますが、死亡事故につながる可能性があるため、安全意識を高める必要があるでしょう。
感電するとどのような影響が出るのか
感電が人体に与える影響は、電流の強さや経路によって異なります。
ここからは、一般的に感電による人体への影響を解説していきます。
皮膚の損傷
電流が皮膚を通過することで熱傷が生じ、皮膚が赤くなり、発熱や痛みが生じることがあります。
強い電流が流れた場合、皮膚にキズが生じることもあります。
注意点としては、皮膚のやけどの程度と内部臓器の損傷の程度は必ずしも一致しないため、感電事故では即座に医療機関で適切な処置を受けることが重要です。
筋肉への影響
電流が筋肉に影響を与えることで、激しい筋肉痛や横紋筋融解症と呼ばれる状態が生じることがあります。
横紋筋融解症は、筋肉細胞の壊死により大量の筋肉成分が血液中に流れ込み、急性腎不全を引き起こすことがあるため注意が必要です。
心臓への影響
電流が心臓に影響を与えることで、心室細動や心停止などの危険な不整脈が生じることがあります。
特に高い電流が心臓を通過した場合、命にかかわる可能性があるでしょう。
電流の大きさ別の影響
感電の影響は電流の大きさによって異なります。
電流の大きさ別で人体に与える影響は、下記の通りです。
・1mA:ピリッと感じる程度で、特に影響はありません。
・5mA:人体に影響がない最低レベルの電流。これ以上の強さで危険が始まります。
・10~20mA:筋肉の収縮が始まり、電線を持った手を離せなくなる可能性があります。感電した人がいる場合、不意に接触すると二人とも固まることがあります。
・50mA:痛みや意識喪失など生命に直接関わる影響が出るレベルです。
・100mA以上:心肺停止や極めて危険な状態に陥り、窒息や火傷による死亡のリスクが高まります。
これらの情報から、特に50mA以上の大きな電流が人体にとって極めて危険なレベルとなるのがわかるでしょう。
感電を防ぐには
感電予防は電気工事や配線作業に携わる全ての人にとって重要な課題です。
ここからは、感電を防ぐ予防策を解説していきます。
絶縁の確認と保守点検
回路や電気機器の絶縁状態を定期的に点検し、損傷や劣化がないかを確認します。
コードやプラグの断線、絶縁被覆の破損などを発見した場合は、すぐに修理または交換を行ってください。
乾いた手での操作と絶縁手袋の使用
電気機器に触れる際には、必ず乾いた手で操作しましょう。
特に湿った状態で作業を行う場合は、絶縁手袋を使用して電気から身を守ります。
絶縁工具の利用
電源関連・付近の作業を行う際は、絶縁ドライバーや絶縁ツールを使用して、電気機器や配線の操作を行いましょう。
これらの工具は絶縁材料でコーティングされており、感電を防ぐ役割を果たします。
アース接続と漏電遮断器の設置
電気設備にはアース接続を行い、電気が地面に逃がされるようにしましょう。
漏電遮断器を設置することで、漏電が発生した際に電源を遮断し、感電事故を防止します。
検電作業の実施
電気工事や配線作業を行う際には、検電器を使用して電気の有無を確認しましょう。
作業前に検電器を使用して電気が通っていないことを確認し、安全な状態で作業を行います。
これらの対策を徹底することで感電事故を防止し、安全な作業環境を確保することが可能です。
感電してしまったら
感電事故が発生した場合、迅速かつ適切な対処が必要です。
自分が感電した場合、すぐに医療機関を受診しましょう。
感電によるやけどや内蔵の損傷、筋肉の収縮による脱臼や骨折の可能性があります。
また他人が感電している場合、まず電源を切断しましょう。
まずはブレーカーを切るか、コンセントを抜いて電気の流れを遮断して感電者を電源から引き離します。
その際絶対に素手では触らず、絶縁体の道具を使用するなど安全な手段で対応します。
素手で触ってしまった場合、自分自身も感電してしまい、二次災害にも繋がってしまうため注意が必要です。
まとめ
感電事故では、迅速な対応が命を守るために不可欠となります。
自己の安全を確保し、必要に応じて救命措置を行うことが重要です。