熱中症は後遺症も怖い!どんな影響がある?
熱中症は、なってしまった時も怖いですが後遺症も怖いものです。
この記事では、そんな熱中症の後遺症について解説していきます。
熱中症の後遺症にはどのようなものがある?
熱中症は、体温が40度を超えると非常に危険な状態になり、迅速な治療が必要です。
治療が遅れると、以下のような深刻な後遺症が発生する可能性があります。
持続する頭痛
熱中症の後遺症の中でよく見られるのが、長引く頭痛です。
特に夏場の暑い時期には、頭痛の発生リスクが高まります。
熱中症による頭痛は、体が脱水状態に陥り、脳に影響を及ぼすことで引き起こされます。
水分を補給して休んでも頭痛が数日間続くことがありますが、頭痛薬の過剰使用は症状を悪化させる可能性があるため避けるべきです。
倦怠感
熱中症後の倦怠感もよく見られる後遺症です。
体が高温にさらされることで衰弱し、倦怠感や吐き気、失神などの症状が現れます。
脱水症状が主な原因であり、体温調節機能や中枢神経系が影響を受けることで発熱と全身の倦怠感が引き起こされます。
治療には、涼しい環境での休息と水分および電解質の補給が有効です。
めまいやふらつき
熱中症の後遺症にはめまいやふらつきも含まれます。
長時間立っている、座っている、または横になっていた後に急に立ち上がると、めまいやふらつきが生じることがあります。
これは、脱水症状が一因です。
めまいは通常、対症療法で数日以内に治りますが、後遺症として数週間から半年程度続くこともあるため注意が必要です。
肝臓や腎臓の障害
熱中症は、重症化すると肝臓や腎臓にも障害を引き起こします。
体温が高い状態が長時間続くと、脳や他の重要な器官が損傷を受け、永久的な障害を引き起こすことがあります。
これらの障害は迅速かつ適切な治療を行わないと致命的になる場合もあるでしょう。
脳の高次機能障害
熱中症は脳に重大な障害を引き起こすことがあります。
これは、脳の血流が不足し、酸素や栄養が行き届かなくなることで中枢神経が影響を受けるためです。
結果として、精神状態や行動の変化、混乱、言葉がうまく出ない、神経過敏、せん妄、けいれん発作、手足の痺れ、昏睡などの症状が現れます。
適切な治療を早期に行わないと、永続的な後遺症が残る可能性があるでしょう。
熱中症の間違った対処方法
熱中症対策には注意が必要で、間違った方法は逆効果を招くことがあります。
ここからは、よく見られる誤った熱中症対策について解説します。
塩飴やタブレット等を与える
熱中症になった時に塩飴等を与えるのは誤りです。
米国の労働者向けガイドラインでも「塩のタブレットは、吸収されて全身に行き渡るまでに時間がかかるので推奨しない」とされています。
これは、塩分が小腸で吸収されるため、口の中でなめたり、飲み込んで胃に入れても、そこから先に進まないと効果が出ないからです。
効果を出すためには、大量の水を一緒に摂取する必要があります。
頭から水を掛ける
「熱中症で倒れた人に頭から水を掛ける」という行為は非常に危険です。
中等度から重度の熱中症では、意識がもうろうとしていることが多く、頭に掛けた水が誤って口に入ると、それが肺に入り誤嚥性肺炎や窒息の危険性があります。
また、頭や額を冷やしても冷却効果は低いため首や脇の下の太い血管を冷やす方が、冷却効果が高く安全です。
牛乳を飲ませる
「熱中症になったら牛乳を飲む」というのも誤りです。
牛乳は熱中症予防には優れた飲料ですが、熱中症になった際にはよくありません。
なぜなら牛乳に含まれるたんぱく質やアミノ酸は、熱産生能が高いからです。
これにより体温が下がりにくくなり、熱中症を悪化させる可能性があるため熱中症になった際には牛乳を避けるべきです。
後遺症を残さないためには?
熱中症の後遺症を残さないようにするためには、熱中症になってしまった時の迅速な処置と正しい対応が必要となります。
ここからは、後遺症を残さないための対応について解説していきます。
涼しい場所に移動する
熱中症の疑いがある場合、可能であればクーラーが効いている室内に移動してください。
屋外にいる場合は、できるだけ日陰に避難することが重要です。
直射日光を避けることで体温の上昇を抑えられます。
体温を下げる
服を脱ぎ、風を受けたり、濡れたタオルで体を巻くことで体温を下げることができます。
氷があるとさらに効果的ですが、ない場合は冷えたジュースのペットボトルでも代用できます。
冷やす際には下記の部位に当ててください。
- ・足の付け根
- ・首の付け根
- ・脇の下
これらの部位には太い血管が通っており、冷やされた血液が全身を巡ることで効率的に体温を下げることができます。
水分と塩分の補給
熱中症の際には、冷たい水を飲むことが最も重要です。
また、汗をかくと体内の塩分も失われるため塩分の補給が必要となります。
大量に汗をかいている場合は、スポーツドリンクや経口補水液が効果的です。
これらが手元にない場合は、水1リットルに食塩1〜2グラムを溶かして飲むことでも対処できます。
まとめ
熱中症は、なった時も怖いですがその後の後遺症も危険です。
正しい処置を行い、症状を悪化させないようにしましょう。