介護施設ではどんなリハビリをする?
高齢になると運動機能も衰えてきてしまい、若い頃のように体を動かすのが難しくなってしまいます。
そのため、リハビリを行いながら生活していくことが大切です。
この記事では、そんなリハビリに関して介護施設で行われていることを紹介していきます。
リハビリを行う目的は?
高齢者がリハビリを行う目的は何でしょう。
ここからは、そんな高齢者がリハビリを行う目的について解説していきます。
低下した機能を回復させるため
第1の目的としては、病気やケガなどによって低下した機能を回復させることです。
高齢になると、健康状態の変化や外傷が原因で心身の機能が衰えることがあります。
リハビリを通じて、これらの機能を元の状態に近づけることが可能です。
例えば、骨折後の歩行訓練や、脳卒中後の運動機能の回復訓練などが挙げられます。
運動機能向上
第2の目的は、運動機能の向上です。
人間は加齢に伴い、筋力や関節の可動域、柔軟性や肺活量などが自然と低下します。
これらの運動機能が低下すると、日常生活の中で自立して行える活動が減少し、周囲のサポートが必要になります。
リハビリは、これらの機能を維持・向上させるための重要な手段です。
例えば、筋力トレーニングやストレッチ、呼吸訓練などを通じて、身体機能を強化し、生活の質を高めることができます。
自立した生活が送れる
第3の目的は、自立した生活を送れるようにすることです。
運動機能の低下は、生活の満足度を低下させる一因です。
リハビリを通じて運動機能を維持・向上させることで、自分でできることが増え、自立した生活が送れるようになります。
これにより、日常生活での不便さが軽減され、生活の質が向上させることが可能です。
また、運動機能を維持・向上させることで、転倒や寝たきりのリスクを減少させ、健康寿命を延ばすことが期待されます。
例えば、バランス訓練や日常生活動作訓練などが、予防的なリハビリの一環として行われます。
リハビリの種類
リハビリにはどのような種類があるのでしょう。
ここからは、リハビリの種類について解説していきます。
理学療法リハビリ
理学療法リハビリは、理学療法士(PT)が運動機能を回復させることを目的として行われるリハビリです。
このリハビリでは、立つ、歩く、座るなどの日常生活で必要な基本動作能力の維持や回復を図ります。
訓練には筋力や関節の動きを保つ運動、歩行訓練、移動訓練、移乗訓練などがあります。
作業療法リハビリ
作業療法リハビリは、作業療法士(OT)が日常生活に必要な機能を回復させることを目的として行うリハビリです。
歩行、着替え、入浴、食事などの基本的な日常作業を支援することで、身体の機能維持と回復を目指します。
このリハビリでは、切り絵や貼り絵、レクリエーションなど、興味を持てる作業を取り入れているのが特徴です。
言語療法リハビリ
言語療法リハビリは、言語聴覚士(ST)が言語訓練を通じてコミュニケーション能力の改善を目指すリハビリです。
話す、聞くといった機能に障害がある人に対し、失語症や構音障害に対する訓練を行います。
また、噛むことや飲み込むことが難しい人には嚥下訓練を行い、安全に食事を楽しめるように支援します。
パワーリハビリ
パワーリハビリは、トレーニングマシンを使った軽度な運動プログラムです。
高齢者でも無理なく行える運動で、体の使っていない筋肉を刺激し、運動機能の維持・向上を図ります。
老化や障害による運動能力の低下を防止し、認知症、パーキンソン病、脳卒中などの予防や症状軽減も期待できます。
生活リハビリ
生活リハビリは、日常生活の動作を問題なく行えるようにするためのリハビリです。
寝たきりを予防し、腕や足の機能を維持・回復させることを目的とし、日常生活を自分で行えるよう支援します。
具体的には、ベッドからの起き上がり、トイレの使用、食事の準備などの基本的な生活動作をサポートします。
リハビリに特化した介護施設とは?
リハビリに特化した介護施設はどのようなものなのでしょう。
ここからは、リハビリに特化した介護施設を紹介していきます。
介護老人保健施設
介護老人保健施設は、自宅での生活復帰を目指し、病状が安定した高齢者にリハビリや栄養管理、入浴支援などを提供する施設です。
施設には医師や看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などが常駐し、日常生活のサポートを行います。
要介護度認定が必要であり、公的施設で費用が比較的安いため、利用待機者が多く入所までに時間がかかることがあります。
民間有料老人ホーム
民間の有料老人ホームでは、施設ごとに独自のリハビリプログラムが計画・実施され、理学療法士や作業療法士が常駐して医療機関と連携を図ります。
入居待機者が少なく、比較的早く入居できるため、公的施設への入居待機中に利用されることも少なくありません。
まとめ
高齢者がリハビリを行うことは、身体機能の回復と向上、自立した生活の維持、そして病気や要介護状態の予防という多方面で重要な役割を果たします。
介護施設ごとに、リハビリの内容は違ってくるのでぜひ調べてみてはいかがでしょう。