工具を長持ちさせるコツとは?
工具は決して安いものではなく、なるべく長く使いたいものです。
この記事では、そんな工具を長持ちさせるコツについて解説していきます。
工具寿命の定義とは?
工具の寿命とは、特に切削工具が使用に耐えなくなるまでの正味の切削時間のことです。
生産現場では、工具が製品の寸法精度や表面粗さを満たさなくなった時点で寿命と判断されます。
具体的には、加工後の製品が規定の寸法範囲に収まらなかったり、加工面の粗さが基準を超えたり、切りくずの形状が変化したりすることが寿命の指標です。
また、実験的には逃げ面やすくい面の摩耗が一定の深さや幅に達することでも判断されます。
これらの要因を考慮し、工具の寿命を適切に管理することが重要です。
これにより、製品品質を維持しつつコスト効率の良い生産が可能になります。
長持ちさせるコツ
工具の寿命を延ばすためには、まず実際の加工条件や環境に応じた状態基準による交換を行うことが重要です。
これにより、標準的な使用時間に頼らず工具の劣化状態に基づいて適切なタイミングで交換が可能になります。
具体的には、定期的な点検と摩耗の観察が役立ちます。
例えば、工具の摩耗状態を定期的に確認し寸法精度や表面粗さが基準を下回る前に対処することが効果的です。
また、加工条件を最適化することで、工具への負荷を軽減し寿命を延ばすこともできます。
切削速度や feed rate の調整、冷却剤の適切な使用などが具体例です。
さらに、工具の保管や取り扱いも重要です。
適切な保管方法や、工具の使用後に適切なクリーニングを行うことで劣化を防ぎ寿命を延ばすことができます。
これらの対策を組み合わせることで、工具の寿命を効果的に延ばすことができます。
切削工具以外の手入れ方法
切削工具以外にもドライバーやレンチなどお馴染みの工具も手入れ次第で長持ちさせることが可能です。
ここからは、そんな工具の手入れ方法を解説していきます。
汚れの除去
工具は使用することでさまざまな汚れが付着します。
オイルやグリス、泥、砂などの汚れは工具の性能を低下させるため、使用中に汚れが気になった場合はすぐに拭き取り用のウエスで清掃してください。
作業終了後も、工具をそのまま工具箱にしまうのではなく、全体を確認し特に汚れがひどい箇所は丁寧に拭き取ります。
この手入れを怠ると、次回使用時に操作性が悪化し工具やボルトを傷める原因となります。
水分の処理
工具が水分に触れることは避けられない場合もあるでしょう。
急な雨や濡れた作業環境では、工具が濡れてしまうことがあります。
水分が付着した場合は、作業終了後にすぐに乾いたウエスで拭き取り特に可動部には潤滑剤をスプレーしておくことが重要です。
放置すると、水分が錆の原因になり次回使用時に動きが悪くなることがあります。
サビの対処
工具の表面にサビが発生することがあります。
特に、注意して使っていてもいつの間にか錆ができることはすくなくありません。
サビを発見したら、まずは紙やすりで丁寧に磨いて除去します。
軽度のサビであれば、120番程度の紙やすりで磨いた後、1,000番程度の水研ぎペーパーを潤滑剤を使って研ぐことでさらにきれいに仕上げることが可能です。
早めに対処することで、サビの進行を防ぎ工具を長持ちさせることができます。
可動部のメンテナンス
ラチェットレンチなど、可動部がある工具は定期的なメンテナンスが必要です。
動きが渋くなったと感じたら、オーバーホールを行うことで、内部の汚れやサビを取り除きスムーズな動作を復活させることができます。
ネジでカバーが外せるタイプの工具であれば、自分で分解して内部を清掃することが可能です。
分解の際、構造を理解するために、組み立て前にスマホなどで写真を撮っておくと再組み立て時に役立ちます。
分解と清掃
分解する際にネジロックがかかっている場合は、ドライヤーで温めてから取り外すと効果的です。
温めることでネジロックが緩み、スムーズに外せるようになります。
内部を清掃する際は、潤滑スプレーを吹きかけてからウエスで磨くと汚れを簡単に落とすことが可能です。
すべての部品を清掃したら、再組み立てを行い潤滑剤を適切に注油します。
このとき、埃を寄せ付けにくいミシン油やエアー工具用のオイルを使用すると長期間の使用において効果的です。
電気工具を長持ちさせる方法
電気工具は高価なものも多く、できるだけ長持ちさせたいでしょう。
ここからは、電気工具を長持ちさせる方法を解説していきます。定期的な休憩
連続使用を避けることで、モーターや部品の過熱を防ぎ寿命を延ばします。
使用中は適度に休憩を取りましょう。
適切な保管
工具を直射日光や高温多湿の場所に置かないようにします。
温度変化が少なく、乾燥した場所で保管することが重要です。
使用後の清掃
使用後は、木屑やほこりをしっかり取り除きます。
特に可動部には潤滑剤を定期的に差すことで、動作をスムーズに保てます。
消耗品の点検
カーボンブラシなどの消耗品は、定期的に点検し劣化している場合は早めに交換することが必要です。
ギリギリまで使うと、他の部品にダメージを与えることがあります。
バッテリー管理
充電式工具では、過充電や過放電を避けバッテリーは適切に管理します。
長期間使用しない場合は、充電状態をチェックし必要に応じて充電しておくと良いでしょう。
まとめ
手入れを継続的に行うことで、工具の性能を維持し長期間にわたって快適に使用することができるでしょう。