ESD破壊とは?どんな対策をすれば良い?
![](https://www.imachas.com/pages/wp-content/uploads/2025/01/ESD1-300x200.jpg)
ESD破壊とは静電気により、電子機器などが壊れてしまうことを言います。
この記事では、そんないESD破壊について解説していきます。
ESD破壊(静電気破壊)とは
![](https://www.imachas.com/pages/wp-content/uploads/2025/01/ESD2-300x200.jpg)
ESD(Electrostatic Discharge、静電気放電)破壊とは、電子機器や半導体デバイスが静電気による放電で損傷を受ける現象です。
静電気は、摩擦や接触・分離といった日常的な動作で発生しやすく、高電圧の放電が回路に流れ込むことで、断線や短絡 が発生し、電子機器の正常な動作を妨げたり寿命を縮めたりする可能性があります。
ESD破壊が頻発すると、製品の信頼性の低下やメーカーの評価の悪化 につながり修理・交換コストの増加、不良品の回収・廃棄コストの発生といった経済的損失を引き起こす恐れがあります。
そのため、半導体や精密機器の製造・取り扱いにおいては、適切な静電気対策が不可欠です。
ESD破壊はなぜ発生する?
![](https://www.imachas.com/pages/wp-content/uploads/2025/01/ESD3-300x200.jpg)
ESD破壊は、なぜ発生するのでしょう。
ここからは、そんなESD破壊が発生する理由について解説していきます。
人体モデル(HBM:Human Body Model)
人が帯電した状態で電子機器に触れることで発生するESDです。
特に乾燥した環境では発生しやすく、製造現場では工具を介して放電するケースもあります。
ESD破壊の原因として最も多いタイプです。
マシンモデル(MM:Machine Model)
帯電した機器同士の接触によって放電が起こる現象です。
特に、製造ラインなどで機器が密集している環境では注意が必要となります。
ESDが発生すると、ホコリの付着や接点不良、塗装ムラ、部品の詰まりなどのトラブルを引き起こすことがあります。
デバイス帯電モデル(CDM:Charged Device Model)
デバイス自体が帯電し、その状態で金属などの導体に触れることで発生するESDです。
例えば、半導体製造の過程でウェハーの取り扱い時に摩擦で帯電し、放電によって回路が破損するケースが挙げられます。
ESD破壊の主な対策方法
![](https://www.imachas.com/pages/wp-content/uploads/2025/01/ESD4-300x200.jpg)
ESD破壊(静電気破壊)を防ぐためには、静電気の発生を抑え帯電した電荷を効果的に逃がすことが重要です。
ここからは、そんなESD破壊の主な対策方法について解説していきます。
加湿
静電気は空気が乾燥すると発生しやすくなるため、適切な湿度を保つことが効果的です。
湿度が高いと、物質表面の水分子による放電が促され、静電気の蓄積を防ぎます。
ただし、過度な加湿は装置の腐食や結露の原因となるため、適切な湿度管理が必要です。
接地(アース)
帯電した電荷を地面に逃がし、静電気の発生を防ぐ方法です。
作業者が帯電しないようにリストストラップを装着したり、機器をアース線に接続したりすることで帯電を抑えることができます。
ただし、絶縁体や移動する装置には適用が難しい場合があります。
除電
帯電した物体に逆の電荷を与えて中和する方法です。
イオナイザー(除電装置)を使用することで、効率的に静電気を除去できます。
特にクリーンルームや製造現場では重要な対策となります。
帯電防止剤の使用
界面活性剤を含む帯電防止剤を塗布することで、摩擦による静電気の発生を抑制し電荷を逃がしやすくします。
ただし、時間の経過とともに効果が薄れるため、定期的な塗り直しが必要です。
ESD破壊を防ぐリストストラップの選び方は?
![リストストラップ ML-300M大A](https://aimg.as-1.co.jp/c/1/5249/01/01524901.jpg?v=a56362dfccd53e7d12d85e5bb7eef28ecd2cfcce)
人体を影響とするESD破壊には、静電気を防ぐリストストラップが有効です。
ここからは、そんなリストストラップの選び方を解説していきます。
使い心地と作業性
長時間着用するため、作業者が不快感を感じないものを選ぶことが最も重要です。
金属部分の手跡や、着脱が面倒だと感じる場合があります。
最近では、デザインや素材の改良が進んで快適性が向上しており、手首への圧迫感が少なく軽量であることが求められます。
耐汗性と耐溶剤性
リストストラップは汗や溶剤にさらされる可能性があるため、耐汗性と耐溶剤性が重要です。
金属部分は錆びや腐食を防ぐため、汗が原因で劣化しない素材を選びましょう。
また、溶剤によってリストストラップの素材が劣化しないことも確認する必要があります。
接地ワイヤーの強度と長さ
接地ワイヤー(リード)の強度が十分であることを確認することが大切です。
また、ワイヤーの長さが作業環境に適しているかも選定時に重要な要素です。
これにより、作業中の安全性と快適性が確保されます。
留め具の構造(着脱性)
リストストラップは簡単に着脱できる必要がありますが、作業中に外れないように適度な接合力を持つことが大切です。
接合部分は、過剰な力で外れないようにし緊急時には素早く取り外せる設計が求められます。
寿命と信頼性
リストストラップの寿命は、使用環境や構造に依存します。
定期的な点検と交換が必要であり、接続不良やコードの劣化がないかを確認することが重要です。
カフ部分と皮膚の接触安定性をチェックし、長期間使用できるものを選びましょう。
電流限界抵抗
リストストラップの電流限界抵抗は、通常1MΩ〜800kΩ程度が適切とされています。
これにより、静電気が安全に放電され人体への影響を防ぐことができます。
選定時には、この抵抗値が規定に適合しているか確認しましょう。
まとめ
ESD破壊は、重大なトラブルに発展することも考えられます。
対策を講じて、ESD破壊を発生させないようにしましょう。
おすすめのリストストラップ
![リストストラップ ML-33C1-SLA](https://aimg.as-1.co.jp/c/1/5250/01/01525001.jpg?v=a56362dfccd53e7d12d85e5bb7eef28ecd2cfcce)
![リストストラップ(両用タイプ) ML301A-L11CA](https://aimg.as-1.co.jp/c/1/5251/02/01525101.jpg?v=a56362dfccd53e7d12d85e5bb7eef28ecd2cfcce)
![リストストラップ(コード付きタイプ) WBCR-18Blue](https://aimg.as-1.co.jp/c/3/6721/01/03672101s_EC.jpg?v=a56362dfccd53e7d12d85e5bb7eef28ecd2cfcce)
![リストストラップ(コードレスタイプ) ブラック WBR-Black](https://aimg.as-1.co.jp/c/3/6723/02/03672302.jpg?v=a56362dfccd53e7d12d85e5bb7eef28ecd2cfcce)