ワックスペーパー、パラフィン紙、薬包紙、全部同じってホント?
みなさん、パラフィン紙ってご存知ですか?
言葉でピンとこなくても、実物をみるとわかる方も多いのではないでしょうか。
このような、半透明で表面がツルツルの紙です。
その名前からもわかる通り紙にはパラフィン蝋が塗布、浸透させてあります。
お菓子作りを頻繁にされる方でしたら、
あ!あれか!とわかっていただけたのではないでしょうか。
そう、一般的には「ワックスペーパー」という名前で売られている、あの紙です。
このようにお菓子作りの際に素材がくっつかないように敷いたり…
作ったお菓子ののラッピングなどにも使うことが多いため、
馴染みがある方も多いかもしれません。
最近では、マスキングテープなどと合わせてラッピングの定番用品のようです。
ドーナツ屋さんでドーナツを買うと、こんな風に包んで渡してくれることも多いですよね。
「ワックスペーパー」はパラフィン紙の英語での呼び方なので、
一般的に「ワックスペーパー」という名で売られているものは、パラフィン紙と思って間違い無いでしょう。
最近は、最初にご紹介した商品のような模様が印刷されたものがたくさん売られているようです。
と、ここまで読んでいて、理系の方はウズウズしていたのではないでしょうか。
そう、理系の人生を送ってきた方達にとってパラフィン紙=薬包紙、ですよね。
恐らく理系の学校に通っていない方でも、小中学校の理科の実験で
1、2度は使った経験があるのではないでしょうか。
薬包紙はその字からもわかる通り、薬を包むのに用いられる紙で、
実験では試薬を乗せて重さを量る際に使われます。
最初にご紹介したパラフィン紙は何を隠そう、この薬包紙です。
こちらのパッケージには「パラピン紙」と書いてありますが、
これは恐らく昔の言い方で、現在は「パラフィン紙」という発音が一般的かと思います。
もしかしたら昔の日本人にとって「フィ」という発音が難しかったのかもしれませんね。
そう考えるとこのパッケージは一体いつから変わっていないのだろう…?!
と不思議に思うと共に、商品の歴史も感じられます。
お菓子作りでは表面のツルツルのおかげで素材がくっつくことがない事が重宝されていましたが、
薬包紙としてのパラフィン紙は、ツルツルのおかげで薬品が滑りやすいことが重宝されています。
ちなみに、とても薄い薬包紙は(パラフィン紙)はと少し勢いよく笑ったりすると
その息の勢いでテーブルの上をツルツルツルーと滑り落ちていってしまうほど。
袋を開けてしまうと収納が少し面倒なので、たくさん使う際には薬包紙ケースの利用をお勧めします。
現在では実験などに用いられることが殆どで、
実際に薬を包むことは殆どない薬包紙。
しかし40、50年前は調剤薬局で薬剤師さんがお薬を渡す際には
薬包紙にお薬を1回分ずつ包んで患者さんに渡していたのだとか。
今でも災害時などには手作業で薬を薬包紙に包んで渡すことがあり、
実際に東日本大震災の際には電子機器がすべて使えなくなったため、
手作業で調剤を行い、薬包紙でお薬を渡していたのだそうです。
お薬を薬包紙で渡す際に大切になるのが、その「包み方」。
薬が溢れないように工夫された織り方があるそうなので、
今回は実際にお砂糖を包んでみました。果たしてこぼれないのでしょうか。
①薬包紙をひし形の形になるように置き、包みたいものを上部に置く。
②少しずらして三角になるように折る。
③左右を折りたたむ。
④先ほど折りたたんだ右側と平行になるように、上部を少し離して折る。
⑤右上の出っ張った部分を左斜め下に向かって折る。
⑥端を山折りして、中に隠すように内側に入れる。
これで完成です。
なんだか中学生の時に友達からもらったお手紙を思い出しました。
ひっくり返してみましたが、お砂糖は溢れてきません…!
昔の方達の知恵が詰まっているのだなあと、改めて感動してしまいました。
お薬を一度に何種類も飲まなくてはいけない方だと、
このような壁掛け式のお薬カレンダーや、
ピルケースを使う方が多いのですが、
調べてみると薬包紙で薬を包み、そのままカレンダーに貼っておられる方もいらっしゃるようです。
最近、玉の薬は誤飲防止で一つずつに分けられないものが殆どのため、1回ずつに分けようとするとハサミなどで切り離すか、パッケージから出して別のものに入れておくしかありませんよね。
そんな時に薬包紙はうってつけのアイテムになっているようです。
私たちの生活にすっかり馴染んでいるパラフィン紙。
ぜひあなたも身の回りにあるパラフィン紙を見つけてみてくださいね。