運転前にはアルコールチェッカーを!酒気帯び運転になる数値は?
運送業や観光バス・タクシー業界の人には馴染みの深いアルコールチェッカー。人の命を預かる仕事ですから、アルコールの抜けきていない危険な状況で運転されることは許されません。この記事では、そんなアルコールチェッカーの数値で酒気帯び運転になる場合を解説していきます。
アルコールチェッカーとは
アルコールチェッカーとは、測定器に息を吹きかけると体内のアルコール濃度を数値に表してくれる機器です。
近年では、営業車など白ナンバーの飲酒検査義務化を目指す動きもあり業務用のアルコールチェッカーを導入検討する事業所も増えています。
酒気帯び運転になる数値
酒気帯び運転になるアルコールチェッカーの数値は下記の通りです。
呼気中アルコール濃度0.25mg/l以上の場合 |
基礎点25点加点 |
免許取消し |
2年間の免許再取得禁止 |
呼気中アルコール濃度0.15mg/lから0.25mg/l以上の場合 |
基礎点13点加点 |
免許停止90日間 |
特になし |
このような処分のほかに、刑事処分もあります。運転者は3年以下の懲役又は50万円以下の罰金が課されます。
また、車両を貸した人も罰則があり運転者の罰則と同じです。
車両の同乗者やお酒を提供した人も、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金となるため注意が必要です。
アルコールが抜けるまでにかかる時間は?
お酒を飲んでからすぐに運転するのは御法度ですが、もちろんお酒が抜け切れば運転しても法律上問題はありません。
では、アルコールが抜けるまでにはどのくらいの時間がかかるのでしょう。実際アルコールが分解される速度は、男女によっても違いますし体の大きさや体質によっても変わってくるため一概には言えません。
また、たくさんアルコールを摂取すればそれだけ体内にアルコールが残りやすくなります。そのため飲んでからこのくらいの時間が経てば運転して良いというのはすぐに計算するのが難しいです。
中にはお酒を飲んだ後寝れば、アルコールが抜けていくので大丈夫だという人もいます。これは全く真逆で睡眠中はアルコールの分解が遅くなる恐れがあります。
そのため、寝てしまうと体内からアルコールが抜けていく時間が遅れてしまう可能性があるでしょう。
アルコール分解の時間例は下記で簡単に説明しますが、あくまで例なのでお酒を飲んだら余裕を持って時間を空けた上で運転するようにしましょう。
時間例1
ビール900ml(中ジョッキ2杯程度)を飲んだ体重60kgの男性を例に挙げます。
分解の早い人であれば飲んでから1時間後には、0.22mg/lで2時間後には0.129mg/lになります。
分解の遅い人であれば1時間後には、0.442mg/lで4時間経っても0.258mg/lまでしか分解されません。
分解が早い人ならば2時間後には違反の基準値以下になりますが、分解が遅い人であれば4時間経っても違反の基準値以下になりません。
あくまで参考値ですが、中ジョッキ2杯程度の飲酒後は6時間から8時間程度空けることをおすすめします。
もちろん6時間から8時間空けても基準値以上の場合があるため、どうしても運転しなければならない場合はアルコールチェッカーにて呼気をチェックするようにしましょう。
時間例2
こちらの例は、ビール900ml(中ジョッキ2杯程度)を飲んだ50kgの女性です。
女性の場合は、体質が少し男性とは違いますし体重も軽いことが多いためアルコール分解の時間が男性よりもかかる可能性があります。
分解の早い人で飲んでから1時間後に0.284mg/lまで分解され、3時間後には0.102mg/lまで分解され基準値以下になります。
分解の遅い人は、飲んでから1時間後に0.531mg/lまで分解されますが4時間経っても0.324mg/lまでしか分解されません。
こちらもあくまで参考値ですが8時間程度空けると良いでしょう。
やはりどうしても運転しなければならない人は、アルコールチェッカーを使った上で安全を確かめてから運転することを推奨します。
アルコールチェックの義務化
2021年の6月28日に千葉県で起こった児童5人をトラックがはねてしまった事故をきっかけに、白ナンバー事業者へのアルコールチェックが義務化されることになりました。
令和5年12月1日から施行となり、乗車定員が11人以上の白ナンバー車を1台以上保有している事業所、白ナンバー車5台以上を保有している事業所ではアルコールチェックが義務化されます。
対象となる事業所は、アルコールチェッカーをしっかりと用意しておくようにしましょう。
アルコールチェッカーの業務用と市販品の違い
業務用と市販品のアルコールチェッカーは何が違うのでしょう。ここからは、違いについて解説していきます。
耐久性
業務用は、市販品よりも耐久性が優れています。アルコールセンサーには使用期限があり、業務用のアルコールチェッカーは精度維持のために半年から1年のスパンでセンサー部分の交換をしなくてはなりません。
市販品は、定期的なメンテナンスが無いため買い替える必要があるでしょう。
正確性
正確な数値が出なくてはアルコールチェッカーとしての意味がありません。
業務用のアルコールチェッカーは、定期的なメンテナンスがあるため精度が保たれます。
しかし、市販品は気づいたら測定ができなくなってしまっている可能性があるため事業所など会社で使う場合には業務用のアルコールチェッカーを強くおすすめします。
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