耳栓を使うべき現場とは?
工場内はあらゆる場所で機械が作動し大きな音が常に鳴っていることが多いです。そのため、耳栓を使って耳を守ってあげないと重大な障害が残ることもあるでしょう。この記事では、そんな耳栓について解説していきます。
耳栓が必須の職場とは?
大きな音が常に鳴っている職場などでは、耳栓が支給されて着用が義務付けられている場合も多いです。
特に金属加工などを行う現場では、耳栓が支給されている場合が多いです。
また、労働安全衛生規則では具体的に音の数値によって耳栓などの着用が明示されています。
具体的には、下記のような区分になっています。
管理区分1:A測定が85dB未満、B測定が85dB未満
管理区分2:A測定が85dB未満、B測定が85dBから90dB or A測定が85dBから90dB、B測定が85dBから85dB未満 or A測定が85dBから90dB、B測定が85dBから90dB
管理区分3:A測定が85dB未満、B測定が90dB以上 or A測定が85dBから90dB、B測定が90db以上 or A測定が90dB以上、B測定が90dB以上 or A測定が90dB以上、B測定が85dB未満 or A測定が90dB以上、B測定が85dBから90dB
管理区分1
管理区分1は、特に耳栓などを使用しなくても問題がないレベルの騒音とされています。
家庭用の洗濯機が70dB程度と言われていますので、それよりも少し大きいレベルの騒音だと特に耳に影響を与える可能性も少ないようです。
管理区分2
管理区分2は、区域を看板などでしっかりと明示しなくてはならないレベルの騒音となります。
具体的な対策が必要となり、施設や作業内容の改善、その他騒音対策を行い管理区分1レベルの環境にしなくてはなりません。
また、作業者に対し耳栓などの防音保護具を着用させ騒音対策をする必要もあるでしょう。
管理区分3
管理区分3は、最も厳しく騒音の管理をしなくてはならない環境です。
管理区分2と同様に区域を看板などでしっかりと明示すると同時に、耳栓などの防音保護具の着用厳守の明示もしなくてはなりません。
また、作業環境を管理区分1、2レベルまで改善する努力も行う必要があります。
イヤーマフや耳栓等、聴覚機能を守る防音保護具の着用も作業者に義務付けなくてはなりません。
耳栓の役割と重要性
耳は様々な情報を私たちに伝えてくれる重要な器官です。
この耳が聞こえづらくなってしまった場合、生活がかなり困難になってしまいます。
長い期間85dB以上の騒音下で活動をしていると、徐々に蝸牛のなかにある有毛細胞が消耗していき音が感じにくくなる可能性があります。
それを防いでくれるのが、耳栓です。耳栓をすることで騒音はかなりシャットアウトされるため、大きな音が出続ける職場では必須のアイテムになっています。
耳を守るということは比較的軽視されがちですが、重大な障害を残さないためにも積極的な耳栓の着用が求められています。
騒音による耳の病気
工場などの大きな音が出る場所で働いている人の中には、耳鳴りに悩む人もいるでしょう。
もしかするとそれは、騒音性難聴かもしれません。
騒音性難聴とは、耳の奥にある蝸牛の有毛細胞が大きな音によりダメージを受けて徐々に壊れていくことより発症する病気です。
大したことないと考えて、放っておくと耳元で大きな声を出さないと聞こえないレベルにまで聴力が低下してしまうこともあり注意が必要です。
このような病気にならないためにも、工場などの現場では耳栓などの防音保護具が重要なアイテムだと言えるでしょう。
耳栓はストレスの軽減にも役立つ?
一般的に人がストレスを感じずにいられる環境は、40dBから50dBだと言われています。このような環境は、静かなオフィスのレベルです。
これに対して、工場などの大きな音が常に発生する場所で長時間働いていると心理的なストレスを感じるだけでなく、場合によっては食欲がなくなったり血圧が上昇したりと目に見えて悪影響が出てくる場合があります。
そのため、85dB以上の環境下で働く人は耳栓をしっかりと着用することでストレスを軽減することが可能です。
耳栓の種類
耳栓は大きく4種類に分けられます。ここからは、耳栓の種類について解説していきます。
フォームタイプ
フォームタイプは、かなりポピュラーなスポンジ素材の耳栓です。
耳の形状に沿って膨らんでくれるので、耳の穴にフィットしやすいのが特徴になっています。
耳の負担になりにくく遮音性も高いため、長時間の作業を行うのにぴったりの耳栓です。
フランジタイプ
フランジタイプは、ヒレのような形状の部分を耳の穴に押し込んで使う耳栓です。
素材はシリコンが多く、水洗いができるため衛生的に使用することができます。
遮音性は、フォームタイプに比べると低いですが気圧の変化を調節できるものもあるため、使用環境によって使い分けることも可能です。
シリコン粘土タイプ
シリコン粘土タイプは、耳の形状に合わせて自由に形を変えることができるのが特徴です。
遮音性は耳の穴に入れるタイプよりも劣りますが、柔らかい素材のものが多く長時間使用しても耳が痛くなりにくいためおすすめです。
イヤホンタイプ
イヤホンタイプは、イヤホンの形をした耳栓です。デジタル機能を搭載しており、いらない音だけをシャットアウトするノイズキャンセリング機能が付いたものもあります。
騒音も酷いけど音が全く聞こえないのも危険な現場では、このイヤホンタイプがおすすめと言えるでしょう。
まとめ
耳栓は耳を守る工場勤務の方の強い味方です。職場に合った耳栓を選んで、健康的で安全に働いていきましょう。