ふえるわかめちゃんでおなじみのリケンと理化学研究所は同じ「りけん」?その関係は・・・
先日、インスタントのわかめスープを飲もうと思い、
お湯を入れた後って混ぜた方がいいんだっけ…と袋を見て確認していたところ、
こんなロゴが目に入ってきました。
そう、リケンです。
わかめスープと言ったらリケン、と言うくらい有名な食品メーカーです。
(個人的にはノンオイルの青じそドレッシングが大好きです)
これまでも何度も目にしてきたはずの会社名ですし、思い返してみると
リケンの商品CMはいつも必ず商品名と企業名がナレーションに入っていた気がするので
「リケン」という企業名は認識していたはずです。
しかし何故かこの時ふと初めて
「リケンと理研(理化学研究所)ってそう言えば同じ響きだ…!」と思ってしまったのです。
もしかしたら、いまちゃすで理科学用品を取り扱うようになってから
研究所などの名前に敏感になっているのかも…
などと思いながらもう一度裏面の詳細情報を見てみると販売者の欄には
「理研ビタミン株式会社」の文字が。
漢字での表記も理化学研究所の理研と同じ「理研」です。
あれ?
もしかしてこの二つの「りけん」…
…何か関係があるのでしょうか?
気になって調べてみることにしました。
では始めに、2つの「りけん」の簡単な説明をします。
まず1つ目の「理研」。
理研とは理化学研究所の略称であり、
アジア最初の基礎科学総合研究所として1917年に設立された
物理学、化学、工学、生物学、医科学などの研究を行う、
日本国内唯一の自然科学系総合研究所となる、国立研究開発法人です。
次に2つ目の「リケン」。
こちらは1949年創業の調味料メーカーで、正式名称は「理研ビタミン株式会社」です。
今回の疑問のきっかけとなった「わかめスープ」を始め、
「ふえるわかめちゃん」シリーズや「ノンオイル青じそドレッシング」などの販売を行なっています。
ざっと説明をしただけでも、国家レベルの研究所と調味料メーカー、
どうしても関係があるようには思えませんよね。
しかし調べてみるとこの二つの「りけん」にはとても深い関係がありました。
もともと理研ビタミンの母体は、戦前の理化学研究所だったんです。
お話は、戦前まで遡ります。
当時、理研は世界で初めて魚の肝臓からビタミンAを抽出することに成功しました。
そして、これを商品化し理研の財源に充てようと「理研ヴィタミン」という商品が開発されました。
今で言うサプリメントのようなものです。
こちらがそのビタミンAを使った商品である「理研ヴィタミン」の当時の広告。(Wikipediaより)
この「理研ヴィタミン」の販売は成功を収めることができました。
そして戦後、理研の「ビタミンA」の製造部門を引き継ぐ形で発足したのが、
現在の理研ビタミン株式会社、ということなのです。
では何故ビタミンAを研究・販売を行なっていた会社の代表的な商品が
「ふえるわかめちゃん」や「わかめスープ」なのか?と言うと、
ビタミンAの抽出を「魚の肝臓から」行なった事から受け継がれる、
「天然物の有効利用」がキーワードとしてあるようです。
天然物の有効利用として水産資源ルートの展開を行なっていく過程で、
わかめスープが生まれ、海藻などを扱っているうちに
海藻を美味しく食べられるドレッシングが生まれ…
というような流れがあったようです。
この、一つのことをコツコツと調べているうちに、
隣にあったものにも派生していき、ビジネスチャンスが生まれる、という理研ビタミンの流れは
「研究」を彷彿とさせるところがあるのが不思議ですよね。
もし今度リケンの「わかめスープ」や「ふえるわかめちゃん」を
食べる機会があったら、この二つの「りけん」の事を思い出してみてくださいね。
様々な事を考えたり、調べたりしているうちに出来上がったわかめスープは、
いつも以上に美味しく感じられたのでした。