液体のりがまたまた医療現場で大活躍!白血病だけでなくがん治療でも画期的な効果
未だ収束の糸口が見込みが見えてこない新型コロナウイルスの感染。
連日、悲しく、もどかしくなるニュースが続いており、皆さんも少し疲れてきているのではないでしょうか。
1日も早い終息を願うばかりです…。
しかしそんな中、同じ医療関連のニュースでも、聞くだけで嬉しくなるようなニュースが先月末舞い込んできました。それは、こちらのニュース。
→液体のり成分でがん治療効果が向上 東工大など
私たちが日常生活で使っている「液体のり」の成分を使って、放射線によるがん治療の効果を高める手法を開発したと、東京工業大学の野本貴大助教や西山伸宏教授らの研究グループが発表したのです。
…と、ここまで読んで「あれ?以前にも…?」と思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そう、少し前にも液体のりが使われた研究のニュースがありました。
こちらのマガジンのコーナーでも「あの液体のりが、白血病治療の救世主に?!」というタイトルで取り上げさせていただいたように、昨年の6月には、液体のりが白血病治療で画期的な効果を出したということで、大きなニュースとなりました。
今回活躍の舞台となったのは、がん免疫療法に次ぐがん治療法として期待されている
「ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)」のマウス実験です。
BNCTはまず患者にホウ素化合物を含んだ薬剤を投与し、がん細胞に取り込ませた後に、がん細胞に向けて中性子線を当てるとホウ素化合物と反応してアルファ線などが発生し、がん細胞を殺すという流れ。
この治療法は正常な細胞を傷つけないなどのメリットがあるのですが、これまでの研究では薬剤を投与して数時間が経過すると、ホウ素化合物の量が減り始めてしまい、治療に十分な量が患部にとどまらないという課題がありました。
そこで研究グループは患部にホウ素化合物をとどまらせるため、
液体のりに含まれる「ポリビニルアルコール」という成分に着目。
がんのマウスの静脈にホウ素化合物とポリビニルアルコールを混ぜた薬剤を投与したところ、
6時間後もその量に殆ど変化がなかったそうなのです。
マウスに投与して3時間後に中性子線を当てた結果、殆どのマウスでがんが小さくなるなど、
従来のホウ素化合物を使った治療法よりも高い効果を確認できたそうです。
液体のりと言ったらやはりアラビックヤマトですが、
製造しているヤマト株式会社の商品はいまちゃすでも様々な商品をお取り扱いさせていただいています。
全面に粘着剤のついた紙ロールテープや…
固形タイプの指先のすべり止めや…
アルミブラケットまで、液体のりだけにとどまらず、
何かを「くっつける」ことに関しては私たちに任せておけ!
とでも言っているような商品を沢山開発されています。
しかしまさか薬剤を患部に「くっつける」役目まで自分たちが担うことになるとは、
思いもしなかったのではないでしょうか。
今回のニュースを受け、アラビックヤマトを製造するヤマト株式会社は、
以前の白血病治療の際と同じようにコメントを発表しています。
白血病治療の際と同じように冷静なコメントですが、
少し気になったのが「尚、当社商品におきましては、一般消費者の方の本来の目的以外の誤ったご使用はおやめくださいますようお願いいたします」と言う一文です。
少し調べてみたところ、今回の報道を受け、液体のりを飲むことで治療できると
誤解された方がいらっしゃったようでこのようなコメントとなったようです。
くれぐれもそのような使用方法はなさらないようにご注意くださいね。
研究は、これから薬剤に混ぜるポリビニルアルコールの量などを調整し、
副作用の有無などを調べる段階に入るそうです。
実用化までにはまだかなり時間がかかるかと思いますが、
そうなった暁には、その陰には液体のりの存在があった事を思い出したいですね。